パテックフィリップ ゴンドーロ Ref.3570-1 グレーローマンダイヤル / Patek Philippe Gondolo 18K White Gold

静謐な輪郭。

本個体「Ref.3570-1」は、

パテック フィリップのゴンドーロ・コレクションに属する一本。 

ゴンドーロとは、アール・デコの精神を受け継ぎ、

幾何学と品位が交差するシリーズ。

その中でも本モデルは、

スクエアに近いレクタンギュラーケースを採用し、

腕元に均衡と沈黙の緊張をもたらす設計となっております。

量産とは異なる、造形そのものに宿る意思を感じるモデルです。

灰の余白とローマンインデックス。

文字盤は、光を抑えた灰色のグレーダイヤルにて構成されております。

そこに浮かぶローマンインデックスは、時を告げるよりも、

時を沈める記号としての佇まいを見せております。

敢えて2針の時計を選ぶという行為自体が、

時間と記憶の境界線を曖昧にする役割を果たしております。

触れる時間、Cal.175。

搭載ムーブメントは、Cal.175の手巻き機構。 

このキャリバーは、薄型かつ静かな鼓動を持ち、

手巻きという儀式性と実用性の双方を叶える設計でございます。

巻き上げるという所作は時間との対話であり、

時計を動かすというより、時計に語りかける行為に近いと言えるでしょう。

構造の秩序。

外装素材にはホワイトゴールドを採用。 

鏡面仕上げと直線的な造形により、

装飾ではなく構造そのものが美として機能する造りにございます。

サイズは控えめでありながら、腕元に確かな存在感と緊張感を与え、

見る者の視線に静かに語りかける設計となっております。

希少性と記憶の深さ。

今となっては、Ref.3570-1は流通数が極めて少なく

資料にもほとんど登場することのないモデル。

グレーローマンダイヤルという選択は、華やかさではなく、

沈静と余白を選ぶ事が出来るセンスの証明となります。

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