エテルナ エテルナマチック / ETERNA ETERNAMATIC 1950's

エテルナマティック。

5つのボールが描いた、自動巻きの美学と革新の軌跡。

1856年、グレンヒェンの静かな町にて産声を上げたエテルナ。

長きにわたりムーブメントの供給元として信頼を積み重ねてきた老舗。

その技術の誇りは、ブランドロゴだけでなく、

オリジナルのリューズにも息づいております。

先端に刻まれた5つのドットは、

まさに“ボール・ベアリングの精神”を宿した意匠。

細部にまで魂を注ぐエテルナの哲学が、静かに語りかけてくるよう。

このリューズが残された個体は現存数も限られ、

いま手にできる機会が稀有と言っても過言ではございません。

それは単なる消耗品ではなく、

誇りを可視化した 小さな記章 と言えます。

搭載されるのはCal.1248TC。

“自動巻きの名門”があえて選んだ、静寂な挑戦。

エテルナといえば 5つのボールベアリングを用いた自動巻き機構、

「エテルナマティック」で知られる、革新の象徴。

しかしこの個体に搭載されるCal.1248TCは、

その“自動巻きの誇り”をあえて取り外し、

手巻き専用機として再構築されたムーブメント。

その理由はただひとつ、薄さへの挑戦。

1950年代から60年代にかけて、時計業界では

“いかに薄く、美しく仕上げるか”という競争が激化しておりました。

Cal.1248TCは、エテルナがその競争に真正面から挑んだ証。 

自動巻き機構を排し、ムーブメントの厚みを削ぎ落とすことで、

ケース全体のプロポーションを洗練させています。

それは、単なる構造変更ではなく、

ブランドのアイデンティティを一度脱ぎ捨ててでも、

美の極致を追い求めた“静かな革命”。

この選択にこそ、エテルナというブランドの奥深さと、

職人たちの矜持が宿っております。

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