ロレックス バブルバック ピンクゴールドコンビ Ref.3372 / ROLEX Bubble back Cal.NA

─ 1944年製 ROLEX Bubbleback ─

ローズゴールドとステンレススチールの交錯。

その柔らかな輝きは、戦後の静けさと希望を映します。

1944年製、完全オリジナル。

英語圏では“Bubble back”、

イタリア語圏では“Obettone”。

当時、小さな卵と呼ばれたこの時計は、

時代の胎動をその背に宿しています。

─ 自動巻きの黎明 ─

1933年、ロレックスは初となる、

自動巻きローターを搭載したモデルを発表。 

その厚みを受け止めるために設計された、

ハーフドーム型のケースバック。 

サイズを大きくするのではなく、

膨らませることで収容するという発想。

このBubblebackは、技術と造形の折衷点に立つ、 

自動巻きの原型とも言える存在。

─ ラジウムの残響 ─

オリジナルの灼け切った文字盤。

修復されていないその表面には、

時の粒子が静かに降り積もります。

ラジウム夜光プロット、アラビア数字、ブルースチール針。 

ガイガーカウンターがわずかに反応するその微光は、 

過去の技術が今も息づいている証です。

─ ケースとリューズの対話 ─

ケース径32mm。 軽い研磨の痕跡はあるものの、

プロポーションとラグの面取りは健在。

ローズゴールド製のオイスターリューズが、

ステンレスとの対比を生み、素材の会話を奏でます。

それは、戦後の素材選択が語る時代の価値観でもあります。

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