手巻きと自動巻きの基礎知識

機械式時計は、ゼンマイがほどける力で動きます。そのゼンマイを手でリューズを回して巻くのが手巻き、腕の動きで自動的に巻くのが自動巻きです。ここでは二つの仕組みの違い、自動巻きの移り変わり、使い方と購入前に確かめたい点をまとめます。当店の時計は「手巻き」の検索結果と「自動巻き」の検索結果からご覧いただけます(販売済みを含みます)。

手巻き

リューズを回してゼンマイを巻きます。巻き上がると手応えが重くなり、それ以上は回らなくなります(巻き止まり)。そこで止め、無理に回さないでください。1日1回、毎朝など決まった時間に巻くと、時刻のずれが安定しやすくなります。

ローターがないぶんムーブメントを薄くまとめやすく、1930〜50年代の小ぶりなドレスウォッチや、薄型のモデルの多くは手巻きです。スモールセコンドの時計にも手巻きが多く見られます。

当店で扱っている例(在庫):トラスティ(タバン) 1930年代、タバン Ref.1502 1940年代、ポベダ 1952年(Cal.K-26)、ロンジン オクタゴン 1970年代(Cal.L846.4)、ロンジン Ref.3207 1980年代(Cal.L846.4)

自動巻き

ムーブメントに付いた半円形の重り(ローター、回転錘)が腕の動きで回り、その回転でゼンマイを巻きます。ゼンマイが巻き上がると、それ以上は滑って空回りする仕組みになっていて、巻きすぎることはありません。多くの機種はリューズでも巻けますが、手で巻けない機種もあります。

ローターが重なるぶん、同じ大きさの手巻きよりケースが厚くなる傾向があります。

当店で扱っている例(在庫):ゼニス オートマティック デイト 1960年代(Cal.2532PC)、モバード キングマチック 1960年代(Cal.538)、オメガ コンステレーション Ref.163.001 1960年代(Cal.712)、ティソ T12 デイデイト 1960年代(Cal.794)、オメガ メモマティック 1970年代(Cal.980、アラーム付き)、ブローバ デイデイト 1970年(Cal.11ANACB)、タイメックス ヴァイカウント 1970年代

自動巻きの移り変わり

  • 1920年代:英国のジョン・ハーウッドが、腕時計用の自動巻きを考案しました。
  • 1930〜50年代:ローターが一定の角度だけ振れ、両端のばねに当たって戻る半回転式(バンパー式)が多く作られました。着けていると、ローターが当たる感触が伝わることがあります。
  • 1950〜60年代:ローターが一周回る全回転式が主流になりました。モバードのキングマチックも、1956年に始まった全回転ローター式です。ローターをムーブメントの中に小さく組み込んだマイクロローター式も現れ、薄型の自動巻きに使われました。
  • 1960〜70年代:日付や曜日の表示を組み合わせた自動巻きが増えました。日付つきの時計の扱いはトリプルカレンダー・ムーンフェイズの基礎知識もご覧ください。

使い方の違い

  • 手巻きは、毎日巻く手間がある代わりに、着けない日があっても巻けばすぐ動きます。
  • 自動巻きは、毎日着けていれば巻く必要はほとんどありません。着けない日が続くと止まります。止まった状態から着けるときは、リューズで巻ける機種なら数十回ほど巻いてから着けると、動きが安定します。
  • どちらも、日付の切り替わる夜間(21時〜翌3時ごろ)に日付の早送りをすると、機械を傷めることがあります。
  • どちらも磁気や強い衝撃は苦手です。スマートフォンやバッグの留め具の磁石に近づけないでください。

購入前に確認したいこと

  • 手巻き:リューズを回したときの手応えがなめらかで、巻き止まりがはっきりしているか
  • 自動巻き:軽く振るとローターが回るか、回したときにケースと擦れるような音がしないか
  • 自動巻き:リューズで巻けるかどうか(機種によって違います)
  • 日付つきの場合:日付が0時前後に切り替わるか、早送りができるか
  • ケースの厚みと径。自動巻きは厚く、手巻きは小ぶりなものが多いため、袖口や手首に合うか
  • 整備(オーバーホール)の時期

当店で販売する時計には6か月の動作保証(自然故障のみ)をお付けしています。詳しくは保証制度をご覧ください。お手持ちの時計の修理・オーバーホールのご相談も承ります。

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