シチズン レオパール・スーパービート Ref.4-720440-K / CITIZEN LEOPARD SUPERBEAT Cal.7211 1970's

1970年代、セイコーがハイビート競争を牽引していたその時代に、 

シチズンが放ったもうひとつの回答。

それがレオパール・スーパービート。

搭載されるのは、毎時28,800振動（8振動）の高精度ムーブメント。

日差や姿勢差を抑えるこの仕様は、当時としては先進的であり、

現在でもスイス製高級機に多く採用される“信頼の鼓動”。

モデル名「レオパール」は“豹”を意味し、

文字盤に配された黒豹のマークが、

その俊敏さと精密さを象徴するかのように、静かに存在感を放ちます。

ケースはクッション型のステンレススチール製。

ポリッシュ仕上げのベゼルとケースが、

滑らかで上品な光沢を生み出し、

シルバーのサンバースト文字盤と相まって、

洗練されたヴィンテージの美学を体現しています。

アプライドインデックスには黒のラインが一本ずつ入り、

12時位置のみ二本線でアクセントを加えるなど、

細部に宿るデザインの妙も見逃せません。

黒い時分針とオレンジ秒針のコントラストも絶妙で、

視認性と美観を両立させています。

しかし当時の時代の流れはあまりにも急で残酷。

クォーツショックの影響は想像を超え、

より高精度・より低価格・より大量生産可能な新時代の波となって、

レオパールを含め自社で開発していた多くの機械式時計すら、

その波に飲み込まれ淘汰されていく事になります。

しかし、レオパールの残した爪痕は 確かにありました。 

優雅な針の動き、高振動の鼓動、そして機械としての矜持。

それらは、もはや量産の論理では語れない、

“技術で応える”という職人たちの意志が

ここに黒豹として刻まれていたのかもしれません。

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